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【展示】新収貴重書展

京セラ株式会社代表取締役会長などを務められた、伊藤健介氏からの寄付金により、令和5年度に購入した貴重書

を展示します。

 

 

「写山楼画本」 谷文晁画 江戸後期刊

谷文晁(1763-1841)は江戸時代後期の文人画家で、写山楼と号した。文晁は田安家の家臣の家に生まれ、はじめ狩野派に学び、やがて諸派を折衷して八宗兼学と呼ばれる独自の画風を見せて、関東における文人画の重鎮となった。『名山図譜』『本朝画纂』などの画譜類の出版も多く、色摺り木版として出版された本書は文晁の画譜を代表するもののひとつである。

 

「蕙斎略画」 鍬形蕙斎画 江戸後期刊

鍬形蕙斎(1764-1824)は本名を北尾政美という江戸時代の浮世絵師である。江戸の畳職人の家に生まれ、北尾重政の門人となった。蕙斎は寛政7年に刊行した『略画式』によって人気を博し、同時代に活躍した葛飾北斎にも影響を与え、『北斎漫画』を生む契機となった。本書は蕙斎最晩年にすでに刊行した人物略図から抄出し集成したもので、蕙斎略図の要所をうかがわせる。

 

「百躰百人一首」 江邑文雄編 嘉永三年序

編者である江邑文雄は江戸時代後期の書家と思われる。交遊のあった国学者斎藤彦麿の嘉永3年の序文によれば、門弟でもある堂上周辺の文化人からの揮毫百首をあつめたもので、百体とするさまざまな字配りの御家流行草書を文人趣味を見せて陰刻する。四条派の絵師と思われる一直の挿絵が藤原為家の歌絵として付される。

      

                                  場所:附属図書館閲覧室展示ケース

                               期間:2024年4月1日(月)~ 6月27日(木)